2022年度 第3回 視覚文化公開ワークショップ
「〈資料〉の現在形」
山田 毅(アーティスト/副産物産店)
コーディネーター:はが みちこ
(アート・メディエーター/京都市立芸術大学 芸術資源研究センター)
【概要】
従来、国内の博物館収蔵品や文化財は「資料」と呼び表されています。一般にそれらは、なんらかの高い価値(歴史的、技術的、芸術的 etc.)を有する単体のモノを指していました。近年の文化財保護政策では、2005年に保護対象に加わった「文化的景観」を筆頭に、複数の対象をネットワーク的総体として捉える見方が広がっています。有形物(モノ)だけでなく、無形物(コト)もまた、このネットワークに内包されるようになってきました。「資料」のオルタナティブとして、「文化資源」や「芸術資源」といった継承のための活用に重きを置く用語にも注目が集まっています。
こうした〈資料〉のあり方をめぐる地殻変動を踏まえて、今回はアートユニット「副産物産店」の山田毅さんをゲストに迎えてお話をうかがいます。芸術家の制作過程で生み出されるゴミを「副産物」と名づけ、新たな価値を付与するプロジェクトなど、「作品」の価値判断を問い直す彼らの数々の実践から、未来志向の〈資料〉概念とその制度を皆様と一緒に検討してみたいと思います。
【詳細】
日時:2022年10月9日(日曜)午後2時から4時30分頃まで
会場:同志社大学今出川校地良心館RY106教室
参加定員:会場参加の定員は、密を避けるため、25名とさせていただきます。
※定員を超過次第、ZOOMでのご参加をお願いすることになります。
連絡方法:お申し込みを受付けた後、事務局から事前にご案内を差し上げます。
【申し込み】
参加ご希望の方は、下記「参加申し込みフォーム」よりご応募下さい。
なお、お申込みに際して、参加方法(会場参加/ZOOM参加)を選択して下さい。
参加申し込みフォーム
副産物産店(矢津吉隆 + 山田毅)
【略歴】
アーティストのアトリエから出る魅力的な廃材を"副産物"と呼び、回収、販売する資材循環プロジェクト。作品の制作過程で副次的に生まれてくる"副産物"は、アトリエの片隅に置かれいずれは捨てられる運命にあったモノたちです。それぞれの作家の感性を帯びた作品未満のそれらのモノたちに敢えてスポットを当てることで、ものの価値や可能性について改めて考える機会をつくりたいと思っています。主な展覧会はやんばるアートフェスティバル2019-2020(沖縄)、かめおか霧の芸術祭(京都)など。京都を拠点に活動。
【リンク】
山田 毅(やまだ つよし)
【略歴】
美術家、只本屋代表。1981年 東京生まれ。2022年 京都市立芸術大学大学院博士後期課程満期退学。同年より京都市立芸術大学芸術資源研究センター客員研究員。映像表現から始まり、舞台やインスタレーションといった空間表現に移行し、ナラテイブ(物語)を空間言語化する方法を模索、脚本演出舞台制作などを通して研究・制作を行う。2015年より京都市東山区にてフリーペーパーの専門店「只本屋」を立ち上げ、京都市の伏見エリアや島根県浜田市などで活動を広げる。2017年に矢津吉隆とともに副産物産店のプロジェクトを開始。2019年春より京都市内の市営住宅にて「市営住宅第32棟美術室」を開設。現在、作品制作の傍ら様々な場作りに関わる。
【リンク】
はが みちこ
【略歴】
アート・メディエーター。京都市立芸術大学芸術資源研究センター非常勤研究員。浄土複合ライティング・スクール講師。2011年京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了。『美術手帖』第16回芸術評論募集にて「『二人の耕平』における愛」が佳作入選。主な企画・コーディネーションとして「THE BOX OF MEMORY-Yukio Fujimoto」(kumagusuku、2015)、「國府理「水中エンジン」再制作プロジェクト」(2017~)、菅かおる個展「光と海」(長性院、Gallery PARC、2019)など。共著に『危機の時代を生き延びるアートプロジェクト』(千十一編集室発行、2021年)。ウェブ版「美術手帖」、「paperC」、「AMeeT」、「+5」等のウェブメディアに寄稿。
【リンク】
【連絡先】
きょうと視覚文化振興財団事務局
〒611-0033 宇治市大久保町上ノ山51-35
Tel / Fax:0774-45-5511