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マンガは『文化』になれたのか?

《産業・文化・教育の側面から探るマンガの実相》

すがやみつる(京都精華大学教授)

【 概 要 】

21世紀に入った頃からマンガはコンテンツビジネスの優等生として、「クール・ジャパン」の中核を担うようになりました。アカデミックの世界でも2001年に日本マンガ学会が設立され、マンガを研究テーマとした論文が数多く発表されています。しかし、出版物としてのマンガは1996年がピークで、その後は衰退の一途をたどるばかりです。このような文化や学術とビジネスの乖離が起こる理由について考えたいと思います。

【 内 容 】

「週刊少年ジャンプ」が600万部突破、マンガの売り上げがピークに(1996年)

優れたゲームやアニメ、マンガを顕彰する文化庁メディア芸術祭をスタート(1997年)

ITバブルの中で「コンテンツビジネス」が注目を集める(2000年頃)

京都精華大学、マンガ学科を学部に昇格、大学院マンガ研究科も新設(2006年)

経済産業省に「クール・ジャパン室」設立(2010年)

電子コミックの売り上げ増でマンガの売り上げが下げ止まる(2017年)

大英博物館で大規模な「MANGA展」開催(2019年)

ダイバシティ(多様化)の時代に突入したマンガ業界(2020年)



 


【すがやみつる 略歴】

1995年、静岡県富士市生まれ。1971年、『仮面ライダー』(原作・石ノ森章太郎)でマンガ家デビュー。1983年、『ゲームセンターあらし』『こんにちはマイコン』の2作で第28回小学館漫画賞受賞。マンガ、小説、実用書などの著作は約200冊。2005年、54歳で早稲田大学人間科学部eスクールに入学。2011年、同大学院修士課程を修了。2013年、京都精華大学マンガ学部教授に就任。2020年4月より同大学国際マンガ研究センターに所属。

【すがやみつる 著書】

『仮面ライダー青春譜』ポット出版、2011年
『学校教育におけるマンガの可能性を探る (早稲田教育ブックレット)』(共著)学文社、2018年
『ゲームセンターあらし 炎のベストセレクション』小学館、2019年
『こんにちはPython』日経BP、2020年)